介護サービスの種類まとめ|在宅・施設・地域密着型の違いを一覧表で解説

「介護サービスってどんなものがあるの」

「介護保険のサービスってたくさんあってわかりにくい」

親の介護をしていてこのように感じている方は多いのではないでしょうか。

介護保険のサービスは大きく「居宅サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」の3つに分類されています。

種類を知っただけでは「うちはどれを選べばいいの?」「まずなにからはじめればいいの?」と迷ってしまうことも少なくありません。

本記事では介護サービスの種類を一覧でまとめ、それぞれをわかりやすく解説します。

「在宅と施設の違いがよくわからない」「どのようなサービスがあるか知りたい」といった悩みも解決できる内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

介護サービスとは?まず知っておきたい基本

介護サービスは、介護保険制度を利用して受けられる生活全般の支援を指します。

対象となるのは、お住まいの市区町村で、加齢や特定の病気などにより「介護が必要である」と認められた方です。

これらの方が、介護保険により1〜3割の自己負担額で生活支援サービスを受けられます。

なお、介護サービスは大きく以下の3つに分類されます。

種類概要
在宅(居宅)サービス自宅で生活しながら利用するサービス(訪問、通い、泊まりなど)
施設サービス介護施設に入所して生活しながら介護を受けるサービス
地域密着型サービス住み慣れた地域で暮らし続けるためのサービス(市区町村ごとに提供)

「自宅で受けるか」「施設で生活するか」「地域のしくみで支えるか」という3つの視点で整理しておくと、介護サービス全体がわかりやすくなるでしょう。

介護保険制度については以下の記事をご覧ください。

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【一覧】介護サービスの種類早見表

具体的な介護サービスにはどのようなものがあるのでしょうか。

「在宅(居宅)」「施設」「地域密着型」の3つに分けて、介護保険で利用できる主なサービスをまとめました。[1]

在宅(居宅)サービス

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主なサービス概要
訪問介護(ホームヘルプ)ホームヘルパーが自宅を訪問し、排泄、食事などの介助や、掃除、洗濯などの生活支援を行う。
訪問入浴介護自宅に入浴設備(簡易浴槽)を持ち込み、スタッフが入浴の介助を行う。
訪問看護看護師などが自宅を訪問し、体調の確認や医療的なケア、服薬管理などを支援する。
訪問リハビリリハビリの専門職が自宅を訪問し、日常生活動作の練習や転倒予防、体力維持のためのリハビリを行う。
通所介護(デイサービス)日帰りで施設に通い、入浴、食事、機能訓練、レクリエーションなどの支援を受ける。
通所リハビリ(デイケア)日帰りで、通所リハビリテーションの施設に通い、日常生活の自立に向けたリハビリを受ける。
短期入所(ショートステイ)介護施設に短期間宿泊し、入浴、排泄、食事などの介護を受ける。
短期入所療養介護(医療型ショート)医療的な管理が必要な方向けのショートステイ。療養しながら介護や医療的ケアを受ける。
福祉用具貸与介護ベッド、車いす、手すりなどの福祉用具をレンタルできる。
特定福祉用具購入ポータブルトイレや入浴用いすなど、衛生面からレンタルに向かない用具を購入できる。
住宅改修手すりの設置や段差解消など、住まいを安全に整えるための工事費用の一部が支給される。

施設サービス

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主なサービス概要
特別養護老人ホーム(特養)施設に入所して生活しながら、日常生活の介護を受ける。原則として要介護の方が対象。
介護老人保健施設(老健)リハビリを行いながら、在宅復帰を目指すための施設。医療職が配置されている。
介護医療院医療的ケアが必要な方が、長期的に療養しながら生活できる施設。

地域密着型サービス

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主なサービス概要
定期巡回・随時対応型訪問介護看護定期的な訪問に加え、必要なときは随時連絡して訪問対応を受けられるサービス。
夜間対応型訪問介護夜間の訪問介護に対応するサービスで、排泄介助など夜間に支援が必要な場合に利用される。
認知症対応型通所介護(認知症デイ)認知症の方を対象としたデイサービスで、安心できる環境で日中の支援を受ける。
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)認知症の方が少人数で共同生活しながら、日常生活の支援や介護を受ける。
小規模多機能型居宅介護「通い」「訪問」「泊まり」を1つの事業所で柔軟に組み合わせて利用できる。
看護小規模多機能型居宅介護小規模多機能型居宅介護に訪問看護を組み合わせ、医療的ケアが必要な方も在宅生活を続けやすくする。
地域密着型特養(地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護)定員29人以下など小規模な特別養護老人ホームで、地域の方が入所しやすい施設。

在宅(居宅)で利用できる介護サービスの種類

在宅(居宅)サービスは、自宅で生活しながら利用できるサービスです。

スタッフが自宅を訪問してくれるものや、施設へ通って利用するもの、数日だけ施設に泊まって介護を受けるものなどがあります。

主なサービスは以下の通りです。[1]

  • 訪問介護(ホームヘルプ)
  • 訪問入浴介護
  • 訪問看護
  • 訪問リハビリテーション
  • 通所介護(デイサービス)
  • 通所リハビリテーション(デイケア)
  • 短期入所生活介護(ショートステイ)
  • 短期入所療養介護(医療型ショート)
  • 福祉用具貸与
  • 特定福祉用具購入
  • 住宅改修

それぞれの特徴を見ていきましょう。

訪問介護(ホームヘルプ)

訪問介護(ホームヘルプ)は、介護士が自宅を訪問して、日常生活のサポートをしてくれるサービスです。訪問介護のサービスは大きく以下に分類されます。

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サービス内容
生活援助掃除、洗濯、買い物、調理など、日常生活に必要な家事の支援を行います。
身体介護利用者の身体に直接触れて行う介護を指します。入浴やトイレ、食事などの介助が必要な場合は身体を支えながらお手伝いします。
通院時の乗車・降車等介助通院などのために、訪問介護員(ホームヘルパー)が運転する車両への乗降や、移動の介助を行います。

なお、訪問介護の対象は利用者様本人に限られます。

家族分の食事や買い物、庭の手入れなど日常的な家事の範囲を超える内容は、介護保険の対象外となるため注意しましょう。

訪問入浴介護

訪問入浴介護は、自宅のお風呂に入ることが難しい方を対象に、入浴サポートを受けられるサービスです。

スタッフが専用の簡易浴槽を持って自宅を訪問し、身体を洗う、湯船につかるといった支援が行われます。

訪問入浴では、介護職員だけではなく看護師も一緒にサービスを提供します。

入浴前後にバイタルサインや健康状態を確認しながら進めるため、体調が心配な方でも利用しやすいのが特徴です。

自宅でさっぱりすることで、気分転換にもつながるため、生活の質を保つうえでも大切な支援だといえます。

訪問看護

訪問看護は、看護師や保健師などの医療専門職が自宅を訪問し、体調管理や健康指導、医療的なケアを行うサービスです。

たとえば、血圧や体温のチェック、薬の飲み忘れの確認、床ずれの処置など、必要に応じた支援を受けられます。

なお、訪問介護とは異なり、買い物や洗濯、調理などの家事支援は行いません。

病院に通うのが大変な方でも、自宅で安心して療養しやすくなるのが特徴で、「持病がある」「体調が不安定」といった場合などに利用されます。

訪問リハビリテーション

訪問リハビリテーションは、リハビリの専門職(理学療法士、作業療法士など)が自宅を訪問し、身体を動かす練習や日常生活動作の訓練を行うサービスです。

「立ち上がり」「歩行」などの基本的な動作や、福祉用具に関するアドバイスなど、生活に関連する動きについて幅広い支援が受けられます。

住み慣れた場所でリハビリを受けられるため、自分のペースでリラックスした状態で取り組めるのも大きなメリットだといえるでしょう。

通所介護(デイサービス)

通所介護(デイサービス)は、日中に施設へ通って、介護や生活支援を受けるサービスです。

施設では、食事や入浴のサポートのほか、身体を動かす体操やレクリエーションなども受けられます。

家にこもりがちになってしまう方でも、人と話す機会が増え、生活にメリハリが出やすくなるのが特徴です。

介護をしている家族にとっても、介護から離れる時間ができるため、負担を減らすことにつながります。

通所リハビリテーション(デイケア)

通所リハビリ(デイケア)は、施設に通ってリハビリを中心とした支援を受けるサービスです。

体力や筋力を維持するための運動や、歩く練習などをリハビリ専門のスタッフと一緒に行います。

デイサービスとは異なり、医療的なケアやリハビリを目的としており、医師やリハビリ専門職が関わることが特徴です。

短期入所生活介護(ショートステイ)

短期入所生活介護(ショートステイ)は、介護施設に短期間だけ泊まり、生活の支援を受けるサービスです。

利用中は、食事、入浴、トイレなど日常生活のサポートを受けながら過ごします。

家族の介護負担を軽減する役割もあり、介護者の急病や不在時などの緊急的な対応にも利用されます。

短期入所療養介護(医療型ショート)

短期入所療養介護(医療型ショート)は、医療的な管理が必要な方が、短期間だけ施設に泊まって支援を受けるサービスです。

介護だけでなく体調の観察や医療的なケアも含めてサポートしてもらえるのが特徴です。

一般的なショートステイと同じく、「自宅での介護が一時的に難しい」「介護者自身が一時的にリフレッシュしたいとき」などにも利用されます。

福祉用具貸与

福祉用具貸与は、介護ベッドや車いす、手すりなどの福祉用具をレンタルできるサービスです。

立ち上がりや歩行、寝起きなどが難しくなってきた場合でも、身体の状態に合った福祉用具を取り入れることで、自宅での生活を続けやすくなります。

転倒予防にもつながり、介護する家族の負担を軽くできることもメリットのひとつです。

特定福祉用具購入

特定福祉用具購入は、介護保険を使って、一部の福祉用具を「購入」できるサービスです。

福祉用具のなかには、ほかの方が使ったものを借りるには抵抗感があるものもあります。

そうした衛生面が気になる福祉用具は、レンタルではなく購入の対象になっています。

代表的なのは、ポータブルトイレ、入浴用のいす、浴槽内の手すりなどです。

自宅での生活を安全にし、介護の負担も減らすためにも活用されることが多いサービスです。

住宅改修

住宅改修は、手すりの取り付けや段差の解消など、住まいを安全に整えるための制度です。

費用の自己負担は1〜3割(※)で、残りは介護保険から支給されます。

玄関、廊下、トイレ、浴室など転倒しやすい場所を整えることで、家のなかの移動が楽になり、自宅で安心して暮らし続けやすくなります。


なお、原則として住宅改修は工事前に申請が必要で、先に工事をしてしまうと介護保険が使えない場合もあるため注意が必要です。

まずはケアマネジャーや市区町村の窓口に相談してから進めましょう。

※支給限度額は20万円で、それを超えた場合は自己負担になることがあります。

施設で利用する介護サービスの種類

施設サービスは、介護施設で生活しながら支援を受けるサービスです。

自宅での生活が難しくなってきた場合や、24時間の見守りや介助が必要になった場合は、施設サービスを検討することがあります。

施設には以下のようないくつかの種類があります。[1]

  • 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム/特養)
  • 介護老人保健施設(老健)
  • 介護医療院

ここでは代表的な施設サービスを、特徴がわかるように整理して紹介します。

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム/特養)

特別養護老人ホーム(特養)は、自宅での生活が難しくなった方が入所し、生活しながら日常生活の介護を受けられる施設です。

食事、入浴、トイレなどの介助が中心で、長期的に利用する方が多いのが特徴です。

原則として要介護3以上の方が対象であり、看取りを含めた支援を受けられることから、「終の住処」と呼ばれることもあります。

地域によっては、入所希望者が多く利用までに待機期間が発生することもあります。

介護老人保健施設(老健)

介護老人保健施設(老健)は、病院を退院した方や在宅生活が難しい方などが、リハビリをしながら自宅に戻ることを目指すための施設です。

特別養護老人ホームが、「生活の場」だとすると、介護老人保健施設は「在宅復帰(家に戻る)を目指す施設」というイメージです。

医師や看護師が配置されているため、体調面が不安な方でも安心して過ごしやすく、リハビリも受けられます。

「家に帰りたいけれど、まだひとりでは不安」というときの中間地点として利用されることが多い場所です。

介護医療院

介護医療院は、介護と合わせて医療的なケアが必要な方が入所する施設です。

病気や身体の状態によって日常的に医療のサポートが必要な場合、自宅での介護だけでは不安が大きくなることがあります。

介護医療院では、そうした方が生活しながら介護や医療の支援を受けられるのが特徴です。

「病院ほど治療中心ではないけれど、医療の見守りが必要」「自宅での生活が難しくなってきた」といった場合に検討されます。

地域密着型サービスの種類

地域密着型サービスは、住み慣れた地域で安心して暮らすためのサービスです。

地域密着型サービスは、認知症の方への支援や、状況に応じて柔軟にサポートしてくれる仕組みが用意されています。

原則として、対象となるのはサービス事業所と同じ市区町村にお住まいの方となります。

主なサービスは以下の通りです。[1]

  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
  • 夜間対応型訪問介護
  • 認知症対応型通所介護(認知症デイ)
  • 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
  • 小規模多機能型居宅介護
  • 看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)
  • 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護(地域密着型特養)

それぞれ、見ていきましょう。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、介護職員による定期的な訪問や、利用者からの通報に対応してもらえるサービスです。

あらかじめ決めた時間に訪問してもらえるだけでなく、「急に具合が悪くなった」「トイレ介助が必要」といったときには、連絡することで訪問してもらえます。

独居の方や、夜間も含めた支援が必要な方、自宅で生活を続けたいけれど、見守りや介助が頻繁に必要な方にとって心強いサービスです。

夜間対応型訪問介護

夜間対応型訪問介護は、夜間に必要な介護を受けられるサービスです。

提供時間は18〜8時に限定されており、定期的な訪問により排泄の介助や安否の確認などのサービスを受けられます。

また、ベッドから転落したときや、体調不良時などに緊急的な訪問による介助や救急要請の支援などが受けられます。

認知症対応型通所介護(認知症デイ)

認知症対応型通所介護(認知症デイ)は、認知症になった方を対象としたデイサービスです。

一般的なデイサービスと同じように日中に施設へ通いますが、認知症ケアの知識や経験を持つスタッフが配置され、少人数で落ち着いた環境になっていることが特徴です。

認知症の症状があると、集団のなかで不安になったり、混乱してしまったりすることがあります。

認知症デイでは、その方のペースを大切にしながら支援が行われるため、「普通のデイだと合わなかった」という場合にも選ばれやすいサービスです。

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

グループホームは、認知症のある方が少人数で共同生活をしながら、介護を受けられる施設です。

家庭的な雰囲気のなかで、料理や掃除などの「できること」を続けながら暮らせることが特徴です。

なお、地域密着型サービスのため、利用できる範囲や空き状況は地域によって異なることがあります。

小規模多機能型居宅介護

小規模多機能型居宅介護は、「通い(デイ)」「訪問」「泊まり(ショートステイ)」を、ひとつの事業所でまとめて利用できるサービスです。

必要なときに必要な支援を組み合わせやすく、本人の状態や家族の事情に合わせて柔軟に利用できることが大きな特徴です。

たとえば「普段は通いを中心にし、体調が悪いときは訪問を増やす」「家族が大変なときは泊まりを利用する」など、状況に応じた調整がしやすくなります。

「介護の状況が変わりやすい家庭」や「なるべく家で過ごしたい方」にとって心強いサービスといえるでしょう。

看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)

看護小規模多機能型居宅介護は、小規模多機能型居宅介護の仕組みに、訪問看護のサポートが加わったサービスです。

通い、訪問、泊まりを組み合わせながら、看護師による体調チェックや医療的なケアも受けられるのがメリットです。

「持病があり体調が不安定」「退院したばかりで見守りが必要」「医療的なケアがあるけどできるだけ自宅で暮らしたい」といった方に向いています。

介護と医療の両方が必要なケースでは、在宅生活を続けるうえで大きな支えになるサービスといえるでしょう。

地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護(地域密着型特養)

地域密着型特養は、小規模な特別養護老人ホーム(特養)です。

地域のなかで少人数を支える形になっており、明るく家庭的な雰囲気や、地域や家族との結びつきを重視していることが特徴です。

基本的には施設に入所して生活しながら、食事、入浴、排泄など日常生活の介助を受けます。

地域密着型サービスのため、原則としてその地域に住んでいる方が利用対象になります。

入所を希望する場合は、空き状況も含めてケアマネジャーや相談窓口に確認しましょう。

要支援の方が利用する「介護予防サービス」の種類

介護サービスを利用するには「要介護認定」が必要ですが、その結果によって利用できるサービスが少し変わることがあります。

とくに「要支援」と判定された場合は、介護が必要というより「これ以上悪くならないように支える」という考え方が中心になります。

そのため、要支援の方は介護予防サービスを利用しながら、体力や生活の自立を保っていくことが大切です。

介護予防による主なサービスは以下の通りです。[1]

  • 介護予防訪問看護
  • 介護予防訪問リハビリ
  • 介護予防短期入所(ショートステイ)
  • 介護予防福祉用具貸与/介護予防住宅改修

それぞれ、見ていきましょう。

介護予防訪問看護

介護予防訪問看護は、看護師や保健師などが自宅を訪問し、体調の確認や必要なケアを行うサービスです。

要支援の方の場合でも、持病がある方や、健康状態に不安がある方は、日常的な見守りがあるだけで安心につながります。

血圧の測定、体調の変化のチェック、薬がきちんと飲めているかの確認などを通して、状態が悪化しないよう支えていきます。

介護予防訪問リハビリ

介護予防訪問リハビリは、リハビリの専門職が自宅を訪問し、体力や身体の動きを保つための訓練を行うサービスです。

要支援の方は「まだ歩ける」「まだ身の回りのことができる」という方も多く、この時期にリハビリを取り入れることで、転倒や寝たきりを防ぎやすくなります。

自宅の環境に合わせて、立ち上がりや歩行、段差の上り下りなどを練習できるのもポイントです。

介護予防短期入所(ショートステイ)

介護予防短期入所は、短期間だけ施設に泊まり、生活の支援や見守りを受けられるサービスです。

要支援の方の場合、利用の場面は多くありませんが、本人の体調や生活状況、家族の事情によって必要になることがあります。

たとえば「家族が数日家を空ける」「介護をしている家族が休息をとりたい」「今後に備えて施設に慣れておきたい」といった場合に役立つことがあります。

事業所によって利用状況が異なるため、希望がある場合は早めに相談しましょう。

介護予防福祉用具貸与/介護予防住宅改修

要支援の方でも、生活のなかで「転びやすい」「立ち上がりがつらい」といった困りごとが出てくることがあります。

そのようなときに役立つのが、福祉用具のレンタル(介護予防福祉用具貸与)や、住まいを安全に整える住宅改修(介護予防住宅改修)です。

たとえば、手すりの設置や段差の解消を行うだけでも、転倒のリスクを減らし、日常生活の不安が軽くなることがあります。

また、歩行器や手すりなどの福祉用具を使うことで、無理をせず自分で動ける範囲を保ちやすくなるのもメリットです。

要支援の段階でこうした支援をうまく使うことは、「できることを減らさずに暮らす」ことにつながります。

介護保険外(自費)の介護サービスの種類

介護保険によるサービスは、介護保険法により利用できる内容や条件が決められています。

そのため「困っていることがある=なんでも頼める」というわけではなく、状況によっては希望する支援が介護保険の対象外になることもあります。

そのようなときに役立つのが、以下のような介護保険外(自費)のサービスです。[2]

  • 配食サービス
  • 見守りサービス
  • 付き添いサービス
  • 家事代行サービス
  • 介護タクシー

介護保険外サービスはさまざまなものがあり、提供している事業者や支援内容は自治体によって異なります。

利用を検討する場合は、地域包括支援センター(※)や市区町村窓口で確認してみましょう。

※:地域包括支援センター:高齢者の介護や生活に関する相談を受け付けている公的な相談窓口です。[3]

配食サービス

配食サービスは、食事(お弁当)を自宅まで届けてくれるサービスです。

食事を作るのが大変になってきた方や、買い物に行くのが難しい方にとって、毎日の負担を減らす手助けになります。

事業所によっては、配達時の声かけなど、安否確認を兼ねている場合もあるため、独居の方にとっては心強いサービスだといえるでしょう。

なお、配食サービスは自治体が助成している場合もあり、内容や料金は地域差があります。

利用できるサービスを知りたいときは、市区町村窓口や地域包括支援センターに相談しましょう。

見守りサービス

見守りサービスは、離れて暮らす家族がいる場合に、日常の安全をサポートしてくれるサービスです。

たとえば、定期的な電話連絡、緊急通報ボタン、センサーを使った見守りなど、さまざまな形があります。

なお、見守りサービスには、機器を設置するタイプと、人が訪問するタイプがあり、費用も大きく変わるため注意しましょう。

付き添いサービス

付き添いサービスは、病院受診や買い物などの外出に同行してもらえるサービスです。

なお、通院介助については介護保険が適用になるケースもありますが、原則として病院内の付き添いは介護保険が適用されません。

どこまでが保険の範囲で、どこからが自費になるのかは状況によって異なるため、事前にケアマネジャーや事業者に確認しておきましょう。

家事代行サービス

家事代行は、掃除、洗濯、料理などの家事を代わりに行ってくれるサービスです。

介護が必要な方の生活を整えるだけでなく、家族の負担を減らす目的でも利用されることがあります。

なお、介護保険にも「生活援助」というサービスがありますが、介護保険でできるのは、利用者本人の生活に必要な最低限の家事に限られるため注意が必要です。

一方、保険外の家事代行では、時間や内容の制限が少なく、より幅広い家事を頼める場合があります。

介護保険で利用できる範囲と、保険外で頼める内容は異なるため、必要に応じて使い分けることが大切です。

介護タクシー

介護タクシーはストレッチャーや車いすのまま乗れる車両などで、通院や外出をサポートしてくれる移動サービスです。

介護タクシーは、訪問介護の「通院等のための乗車または降車の介助(通院等乗降介助)」にあたる移動手段とされています。

介護保険が適用になるには、通院や日常生活上または社会生活上で必要な行為にともなう外出であることが条件です。

利用目的が異なる場合や、ケアプランに記載がない場合は、介護保険外のサービスとなり、全額自己負担になります。

また「民間救急」とは役割が異なるため、医療的に対応が必要な場面では、どのサービスが適切か確認することも大切です。

介護サービスを受けるには|まずは要介護認定を受けよう

介護保険のサービスを利用するには、「要介護認定」の申請が必要です。

要介護認定とは、お住まいの市区町村が「今どれくらい介護が必要な状態か」を判定する手続きです。

認定を受けたあとは、ケアマネジャーに相談し、本人の状態や生活環境に合わせたケアプラン(介護サービスの計画)を作成してから、サービス利用がはじまります。

手続きに関して不明な点は、地域包括支援センターや、市区町村の介護保険相談窓口で確認できます。

要介護認定の申請から介護サービス利用開始までの具体的な流れは、以下の記事で詳しく解説していますので、そちらも併せてご覧ください。

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介護サービスでよくある質問(FAQ)

最後に介護サービスについてよくある疑問を見ていきましょう。

  • 親が介護サービスを嫌がるとき、どう進めればいい?
  • 要介護認定の申請前に準備しておくと良いことは?
  • 介護サービスは、どのタイミングで利用を考えればいい?

それぞれ、解説します。

親が介護サービスを嫌がるとき、どう進めればいい?

ご家族に介護サービスの話をするとき、「介護」「ヘルパー」などの言葉を出しただけで、強く拒否されてしまうことがあります。

これは「まだ自分は大丈夫」「人の世話になりたくない」という気持ちが働くためで、決してめずらしいことではありません。

大切なのは、「できなくなったから必要」と伝えるのではなく、本人が前向きに受け入れやすい理由で提案することです。

たとえば「安心のため」「身体を動かすため」「気分転換になるから」といった言い方にすると、抵抗感がやわらぎやすくなるでしょう。

要介護認定の申請前に準備しておくと良いことは?

要介護認定の申請をする前に、ご家族の生活状況を整理しておくと、その後の相談や手続きがスムーズになります。

本人が「大丈夫」といっていても、家族から見ると気になることがいくつか出てくる場合もあります。

たとえば、次のような点をメモしておくのがおすすめです。

  • 日常生活の困っている内容
  • ガスの消し忘れや火の不始末がないか
  • 薬を飲み忘れていないか(飲めているか)
  • 買い物ができているか、お金の管理ができているか
  • 最近転びそうになったり、転倒したりしたことはあるか

このような情報があると、「どのような支援が必要か」を相談するときに伝えやすくなります。

難しく考えず、気になることをメモしておくだけでも十分です。

介護サービスは、どのタイミングで利用を考えればいい?

介護サービスの利用に、決められたタイミングはありません。

大切なのは、「困ってから」ではなく、少し余裕のあるうちに検討することです。

たとえば、転びやすくなったり、買い物や掃除が負担に感じられたりといった、ちょっとした困りごとが出てきた段階で利用を考える方もいます。

無理を重ねて転倒してしまうと、その後の生活に大きく影響することもあるかもしれません。

早めにサービスを取り入れることで、生活の負担を軽くしながら、今の状態を保ちやすくなる場合もあります。

「どうすべきか」と迷った場合は、地域包括支援センターや自治体の介護保険担当窓口に相談しましょう。

介護サービスの種類を理解して、必要な支援を受けよう

介護サービスは種類が多く、はじめて調べると迷いやすいものです。

まずは「在宅(居宅)」「施設」「地域密着型」の3つに分けて整理すると、全体像がつかみやすくなります。

介護の形は家庭によってさまざまで、在宅サービスを組み合わせながら生活を続ける方法もあれば、必要に応じて施設サービスを検討することもあります。

介護は家族だけで抱え込まず、困ったときは地域包括支援センターやケアマネジャーに相談しながら、家庭に合ったサービスを選んでいきましょう。

参考文献

[1]介護保険の解説 サービス編 |厚生労働省

[2]介護保険外の民間サービス|東京都産業労働局

[3]地域包括支援センターについて|厚生労働省

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本記事の監修者

藤本こうじ のアバター 藤本こうじ  看護師・介護福祉士・ケアマネジャー

2009年に介護福祉士を取得。グループホームにて7年間、認知症ケアに従事する。現場を通じて医療的な視点の重要性を感じ、2019年に看護師免許を取得。国立系病院で急性期医療を経験したのち、現在は地域医療の現場で活動している。

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